ほんわか本読み

本好きのブログ始めました。生きづらさを少しだけ軽くしてくれる本を紹介します。初心者ですがよろしくお願いします!

~満たされなかった心をみたすものは~ 私が欲しかったもの 原裕美子

 

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 目次

 

  1. あらすじ
  2. 満たされなかった心をみたすものは
  3. スポーツ選手の健康問題
  4. まとめ

[1.あらすじ]

 元マラソンランナーの原裕美子さんが、自身を悩ませた摂食障害、窃盗症について赤裸々に綴った自伝である。17年夏、原さんが自身の症状、窃盗症で逮捕された事が初めてニュースで報道される。その後、二度目の逮捕をきっかけに自分を見つめ直す事になる。摂食障害、窃盗症、だまし取られた1300万、婚約不履行、七度目の逮捕などを繰り返し、原さんが欲しかったものは、盗んでも盗んでも手に入らなかったものは何だったのだろうか。

 

[2.満たされなかった心をみたすものは]

  「またやっちゃた。なんでいつもこうなんだろう・・・。

 ボーッとした頭のまま、自己嫌悪に陥ります。

 イヤだ、やめたいと思いながら、食べ物を盗み、吐き出す。そうなるのは心が弱いからだと必死に戒め、数日の間、無事に過ごせたと思っても、ちょっとした負の感情が引き金となって元通りになってしまいます。自分の中にもうひとりの別の自分がいて、心と体を支配されているような状態でした。」

 

 原さんの苦しみを表している。原さんは振り返ると子どもの頃から対人関係に悩み、ずっと自分の居場所を探していたという。その居場所を原さんは速く走ることで受け入れられ、減量や怪我で苦しんでも辞めることがなかったのは、自分の価値をそれでしか認められない思い込みがあったからだ。

 今の自分はこれでいいのだと思えるような自己肯定感、生きるためのそれで大丈夫だという浮き輪がないと人は何かの力を借りないと生きていけないのではないかと思う。その自己肯浮き輪浮き輪は、何かが出来る、原さんにとっては走ることができて保たれるのではなく、出来なくても、出来ないことがあっても、自分でいいのだと思える事だと思う。原さんにとっての浮き輪は走ることだったが、それを失う事に抗うために現れたのが食べ吐きであり、窃盗だったと思う。

 

 原さんは自身を振り返って「もう、弱さを隠して生きる事はやめよう」と決心したと書かれ、「病気を隠すことよりも克服することにエネルギーを使うことで、こんな私でも誰かの役に立てるのかもしれないと思えた」と話している。

 

 生きる浮き輪が走ることしかなかった原さんは今は、仕事や恋愛、走ること、人間関係一つではなく、いろいろなところに自分の居場所を持って走られている。

 

[3.スポーツ選手の健康問題]

 原さんは、実業団での厳しい減量によって、行き過ぎた減量や生理不順に陥っていた。陸上だけではなく、ある程度身体が絞れていた方が良いとされているスポーツでは、健康が損なわれたり、成長期にも限らず、競技のために厳しい制限がある。

 

 今現在スポーツだけにかけているのであれば良いかもしれないが、健康はスポーツを離れた日常や競技人生が終わった後でも続いていく問題であり、その時だけ出なく今後を考えなくてはいけない。また本来であればスポーツは健康のためにするのもであるのに、それで損なわれていては本末転倒であり、女子選手の減量や生理の問題は選手自身が相談しやすくなったり、健康を保ったままで競技が出来ることを願う。

 

 

[4.まとめ]

 原さんの著書から、自己肯定感の問題やスポーツ選手の健康問題について考えさせられた。原さんは自身の問題から、そういった啓発運動にも積極的に参加されており、彼女の人生を通してたくさんの事を与えておられる。また、彼女の人生から何を学び取るかこの本を読むことで深く考えさせられると思う。