ほんわか本読み

本好きのブログ始めました。生きづらさを少しだけ軽くしてくれる本を紹介します。初心者ですがよろしくお願いします!

あなたのための短歌集 木下龍也 あなたのための短歌は誰かのための短歌

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 目次

  1. 内容
  2. あなたのための短歌は誰かのための短歌
  3. まとめ

 

[1.内容]

 この本は歌人木下龍也さんが「お題」を受けて作歌する、短歌の個人販売プロジェクトが一冊の本になったものだ。これまで作歌した700首の中から「100題100首」を収めています。お題を受けた内容に一人一人に向き合い、その人だけのための短歌が収録されている。

 

[2.あなたのための短歌は誰かのための短歌] 

 この本は開いた一ページ目から、これは今の自分にとって救われる短歌だなとハッとさせられるようなものだった。そのため思わず購入した。

 

 その短歌は、「お題」自己否定する事をやめて一歩ずつ進んでいくための短歌をお願いします。

 

短歌:きつく巻くゆびを話せばゆっくりときみを奏でてゆくオルゴール

 

 自分を否定してきつくきつく押し込んでいる事をオルゴールを奏でる前に回すネジとして表していて、それを離せば=自分を否定する我慢や押し込んでいる思いをそっと手放せば、オルゴールのネジを離せば自然に音が奏でられるように、手放す事で自然にゆっくりと歩いていけると言うメッセージが込められていると感じた。なんだかとても励まされ、この短歌は私の宝物のような物になった。

 

 もう一句紹介する。

 

 「お題」まっすぐ生きたい。それだけを願っているのになかなかそうできません。まっすぐに生きられる短歌をお願いします。

 

 短歌:「まっすぐ」の文字のどれもがもっているカーブが日々にあったっていい

 

 まっすぐ生きたい。依頼者のまっすぐな思いや性格が既に伝わってくるような気がする。そして返答がまっすぐ生きるのは、直線という事じゃなくて、カーブがあってのまっすぐ生きる事だと言う事が込められているのがとても良い。

 

 まっすぐの文字は、まやすの平仮名がカーブしているようにまっすぐじゃない部分も持っている。また、まっすぐな部分もあって、いろんな側面があるからこそ成っている言葉である。そのようにまっすぐな人生も直線だけでなくカーブも含めてまっすぐな人生であると考えさせられる。

 

[3.まとめ] 

 この短歌集は、お題を受けてその人に向けた短歌だ。しかし、同じような状況や境遇の人にとっては自らのためにも書いてもらったように救われる人がたくさんいるのではないかと思う。この本をパッと開けたページがその人の心に刺さるかもしれない。いろんな読み方をしてこの本を楽しんでほしい。