ほんわか本読み

本好きのブログ始めました。生きづらさを少しだけ軽くしてくれる本を紹介します。初心者ですがよろしくお願いします!

レゾンデートルの祈り 楪 一志 生きる意味ってなんだろうか

             

        f:id:run0406:20220417110241j:plain

[あらすじ]

 2035年安楽死が合法化された日本。遠野眞白が出会う人は誰もが死にたいと思っている。人命幇助者、通称アシスターの眞白は死にたい気持ちと正面から向き合う。暗闇の中に生きたいがあると信じて、希望の光を照らしたい。もう二度とあの日の後悔を繰り返さないために。

 

[生きる意味ってなんなんだろうか]

 この本のテーマはこれであると思う。辛くて苦しい世の中を生きるためになぜ人は生きるのだろうか。もし、現実世界でも安楽死制度が合法化されたら何人の人が志願するのだろうか。予想としては多くの人が志願するだろうと思う。人は死ぬ時何を思うのか、死にたいは、死ぬことよりも生きている事が苦しく、死にたいのではなくて生きていたくないと思う時感じるのではないだろうか。

 

 人はいたって生きる意味を考えてしまう時は調子が悪い時、ネガティブな気持ちの時が多い。人生が充実していて楽しければ自然とそんな事を考えずに過ごせるだろう。そういった時に生きる意味を考える事があっても、その時であれば自分の中に意義を見出せるかもしれない、しかし苦しい時は生きる意味なんて考える事ができない状態である。

 

 私はよく生きる意味を考えてしまう。しかし考えても考えてもそんなものは見つからないのである。正解、不正解がある問題は簡単だが、正解がない問題はどうしてこうモヤモヤして苦しいのだろうか。ちゃんとした人生の正解が欲しいと常に思ってしまう、生きる意味についても。

 

 この物語には死を考える数人が出てくる、その人々が抱える問題や思いはなんなんだろうか。死と向き合って向き合って、それでも死を選ぶのだろうか、生きるとは何か、死ぬとはどういう事かについて、進撃に向き合う主人公を通して考える事ができる作品である。