滅びの前のシャングリラ 凪良ゆう
一年後地球がなくなるとしたらどうするだろうか。
「明日死ねたら楽なのにと夢見ていた。なのに最後の最後になってもう少し生きてみてもよかったと思っている」
この本の帯に書いてある言葉だ。
生きていくことがどんなに辛くて、厳しいものだったとしても人は極限まで来ると、こんな風に思えるものなのだろうかと思って手に取った。
よく人は長く生きられないと知ったとき、死にたいと思っていた人でも生きたいという気持ちになったり、当たり前だと思っていた生きる事の喜びや感謝の気持ちが出てくるというが本当なんだろうか。体験したことの無い事は誰にも分からない。
私は良く生きる事について考えてしまう。いったってネガティブな気持ちになってしまう時に多いが。しかし、生きる事今後の事やどうすればいいかについて、自分の人生に苦しみ悩むというのは、死ぬ選択肢をしなければ「生きる」が続いていく前提で考えることなのかもしれないと思った。それは、前提があるからこそで幸せなことなのかもしれない、その反面時間があるからこそ悩み苦しむ事もある。
この本では死にたい気持ちが時間が無くなることで生きたいと思えたというような感想だけでは終わらない、人間極限状態に陥った時どういう思考になるのかも考えさせられる。
極限状態になった時に、よりその本能や本性が現れるのではと思う。
そう言った時にどう判断するのかや、正解のない問題にどう向き合うのかについても考えさせられる本だと思う。
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