オススメ本紹介:眠れぬ夜はケーキを焼いて(1)
この本はマンガエッセイで、ツイッターで発信されていたところからとても好きな雰囲気で思わず購入してしまった。
作中の、昔から生活サイクルが狂いやすく一日を無駄にしてしまい、その不甲斐なさを何か作ることで生まれる達成感で打ち消そうとしている。というところにとても共感した。作者、午後さんはこれを料理をすることで解消している。
私も一日に充実感がない日はつい何か一つでも出来ないかと試みて、結局何もできないまま夜更かしコースになってしまうことが良くある。一日の達成感を取り戻すために意味の無い夜更かしをしてしまうのである。
そんな私にうってつけだったのが午後さんが夜中に作る料理の数々だ。
作中には午後さんならではの温かい言葉と、思い立ったら簡単に作りやすいレシピがともに載っている。
特に「雨が好きだ 家も人も 木も虫も 全てが平等に濡れて 街が煙る
糸のような水は時折きらめき 水面から差し込む光のシャワーのよう
こうして空を見上げていると いつの間にか海底にひっそり佇む
1人と1匹(飼われている猫)になってしまう」
という表現が好きだ。今まで自分が雨に感じる1人を上手く言語化してもらえたような気持ちになる。雨は気持ちが沈むこともあるが、なんだかゆっくりと時間が過ごせるような、1人でだらだらすることも許してもらえるようなそんな日に感じている。その反面、1人でいると無性に孤独を感じたりもするのだ。
午後さんの言葉は、詩的な表現をされているものも多く、抽象的な上手く言葉に出来ないような日常を色づけるようなものが多いなと感じる。さらに言葉の1つ1つはなぜか心にすっと入り、温かく解けていくようなものが多い。
午後さんの言葉とその物語にでで来るレシピをぜひともに楽しんで見てほしい。
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